中学受験算数の「図形問題集」でおすすめのものを紹介していきます。図形問題であまり点数を取ることができない人は少なくありませんが、だからこそ良質な問題集を使ってきちんと勉強すればライバルに差をつけやすいとも言えます。
ここでは現時点でのレベル別に問題集を挙げていきますので、自分の実力に合ったものを選んで学んでいただければと思います。もちろん初心者向けの図形問題集もありますからご安心ください。
中学受験算数の図形問題集のおすすめ紹介|基礎固め編
まずは図形問題が苦手な人、中学受験算数の図形問題を全く知らない人などにおすすめの問題集をご紹介していきます。焦らず自分のレベルに合った問題集から始めることで、結果的に効率よく学力がアップしていきます。
いっきに極める算数 小学3~6年の図形と面積・体積
長方形や三角形の面積を求める公式など、ごく基本的な内容も掲載されている、小学生3~6年生向けの図形問題集です。ところどころテスト式になっていますから、「今自分ができていないところはどこか」が分かりやすいです。
1日10~20分程度勉強するだけでも2か月ほどあれば完了するはずです。この問題集が完了すれば、学校の授業レベルの図形問題で困ることはほぼないでしょう。
また、数年先を見据えて小学校3年生くらいから挑戦し始めるのも選択肢の一つです。算数に限りませんが、小学校レベルの問題であれば低学年のうちに全て理解できる子供は少なくありません。
ただ、「中学受験」というフィールドで言えば、あくまで偏差値40程度の生徒に向いている問題集と言えます。そのため、すでに図形問題の基礎ができあがっている人にはあまりおすすめしません。
図形プリント
中学受験算数でよく出題される「基礎レベルの図形問題」が網羅されている問題集です。ところどころ確認問題も掲載されていますから挑戦しましょう。
この問題集を完璧に近いレベルでマスターするには半年近くかかるかもしれませんが、それだけの時間をかける価値はあります。なぜならこの図形問題集のレベルの問題を解けないと、中学受験算数で勝つのは難しいからです。
算数図形 新装版 まんがではじめる中学入試対策!中学入試まんが攻略BON!
単元ごとに漫画が掲載されており、図形問題の要点を掴みやすくなっています。漫画でポイントを理解してから、実際の中学受験問題にチャレンジできるため学習を進めやすいと言えます。
保護者の方の中には抵抗感のある人もいらっしゃるかもしれませんが、やはり「漫画」は親しみやすいです。そのため、図形問題や算数全般に苦手意識を持っている子供にもおすすめです。
単問チェックで中学入試基礎固め/図形
中学受験算数で実際に出た「単問(一問一答形式もしくは一行題などのシンプルな問題)」をまとめた問題集です。
この単問をスムーズに解けるようなると大事な得点源となるはずです。また、本人の中に「単問は確実に解ける」という自信が生まれると、大問を解くときのパフォーマンスも上がることでしょう。
また、単問には「基本的に1つのことだけを聞かれる」という特徴があるため、図形問題を苦手としている子供が基礎固めをするためにも役立ちます。
中学受験算数の図形問題集のおすすめ紹介|受験に向けて実力アップ編
続いて中学受験算数の図形問題の「基礎固め」がおおよそ完了している子供に向いている問題集を紹介していきます。
中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 算数・図形問題
この問題集の内容を丁寧に理解すれば、図形問題が中学受験算数における得点源になることでしょう。解説がとても充実していますし、動画解説もあります。
ちなみに「1日30分/1か月で完了」と書かれている問題集ですが、「基礎固めだけはできている」というレベルの人が挑戦すると、全てマスターするまでに少なくとも(1日30分で)3か月はかかることでしょう。
また、全部で「50単元」と「裏ワザ17種類」があります。難易度的に考えて偏差値60以上の人にはあまり向かない問題集ですが、裏ワザにだけは目を通しておいてもいいかもしれません。
中学入試でる順過去問図形 合格への307問 三訂版
最近の中学受験算数の出題傾向を分析して、「出やすい順」にまとめてくれている問題集です。「出やすい順」とはいえカテゴリー別に問題が載っていますから、自分の不得意カテゴリーが分かりやすいと言えます。
全体の流れとしては「まとめのページ(解法パターンや公式の解説)→入試問題にチャレンジ」を単元ごとに繰り返していくことになります。必ず「まとめのページ」を理解してから「入試問題にチャレンジ」に進みましょう。
前半は「平面図形」、後半は「空間図形」がメインとなっています。難関中学以外を受験する場合は、「平面図形を全てと、空間図形をある程度まで」という方針で、この問題集を使うのもいいでしょう。
また、解答・解説は別冊なっており見やすく内容も充実しています。
中学受験すらすら解ける魔法ワザ算数・図形問題
中学受験算数における「必ず理解しておくべき図形問題」を選び抜き、簡潔にまとめた問題集です。見開き2ページで一つの解法を理解できますし、全て終えるまでに15時間程度しかかかりません。
その「コンパクトさ」に魅力を感じると最初から手を出したくなるかもしれませんが、まずは先ほど紹介した問題集などを使って「基礎固め」を済ませてからにしましょう。
ウイニングステップ算数図形シリーズ
問題の難易度が3つに分かれているため(C>B>A)、まずはAから始めるのがおすすめです。AをマスターしたらB、BをマスターしたらCと進んでいけば、大幅に成績がアップすることでしょう。
また、こちらの問題集は4、5、6年生向けに1冊ずつ出ています。中学受験算数の図形問題に自信があれば6年生向けのものから取り組むべきですが、そうでなければ4~5年生向けのものからスタートすることをおすすめします。
中学受験算数の図形問題集のおすすめ紹介|上級者編
続いては、算数の偏差値が60以上の子供におすすめの図形問題集を紹介していきます。難関中学を受験する場合はぜひトライしてみてください。
中学入試カードで鍛える図形の必勝手筋 平面図形編
表紙などの雰囲気から親しみやすさを感じるかもしれませんが、難易度は高いです。
この問題集を完璧に理解するために半年以上かかってもおかしくありません。しかし、マスターすれば平面図形問題で怖いものはほぼなくなります。
ただ、「効率」を考えると「受験する学校の出題傾向に合わせて、学習する部分を絞る」という選択も必要になってくるかもしれません。
また、この問題集には44種類の「手筋(問題を解く方法)」の解説が掲載されています。受験間近で時間がない場合などは、この手筋だけでも習得しておくといいでしょう。
中学入試カードで鍛える図形の必勝手筋 空間図形編
1つ上で紹介した問題集の「空間図形編」です。難関学校の中学受験算数に関しては、空間図形も頻出となりますから、こちらの問題集もぜひ習得したいところです。
使い方は「平面図形編」と同じで構いません。ただし、「平面図形問題」に比べると「空間図形問題」のほうが難しいですから、マスターするにはより時間がかかることでしょう。
王者の算数―難関中学突破への究極の“未来問”
上で紹介した「中学入試カードで鍛える図形の必勝手筋」の平面図形編・空間図形編を両方ともマスターしたのであれば挑戦してみるといいかもしれません。
ただし図形問題のみを扱う問題集ではありませから、図形問題は30問前後しかありません。しかし、他のジャンルの問題にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
難易度が非常に高い問題集ですから、余裕のある人のみ手を出してみましょう。
まとめ
中学受験算数の「図形問題集」のレベルやタイプは多種多様であり、非常に初歩的なものもあれば、大人でもつまずくような問題集もあります。だからこそ自分に合った問題集を慎重に選びたいものです。
また、「空間図形問題」にチャレンジするのは、「平面図形問題」をある程度マスターしてからにすることをおすすめします。「空間図形問題」のほうが基本的に難しいですし、「平面図形問題」の知識がなければ解けない問題が多いからです。
なお、このページでは算数の図形問題集について解説してきましたが、図形を含めた算数総合のおすすめ問題集について知りたい方は、中学受験「算数」問題集・参考書のおすすめを分野別ごとに紹介というのページも参考にしてください。